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【管理の極意 その1】賃貸経営は「感覚」ではなく「数字」で見る

【管理の極意 その1】賃貸経営は「感覚」ではなく「数字」で見る

こんにちは。株式会社梶原エステートの梶原です。

今回から「管理の極意」をシリーズでお届けします。第1回は、すべての土台となる現状把握について。

「だいたい埋まっている」「去年より手残りが減った気がする」——賃貸経営の状態を、こうした感覚で捉えていないでしょうか。健康診断と同じで、数字がなければ問題の在り処も、打った手の効果もわかりません。

押さえるべき指標は4つです。

1. 稼働率(時間ベース)

年間の実稼働月数 ÷(総戸数×12ヶ月)

「10室中9室埋まっているから90%」ではありません。10戸で年間の空室が合計18ヶ月分なら、(120−18)÷120で85%です。今日満室でも、その部屋が3ヶ月空いていた事実は消えません。年間で見て初めて実態が出ます。目安は95%以上。

2. 平均入居期間

入居期間の合計 ÷ 入居者数

最も静かに収支を蝕む数字です。入退去が1回起きるたびに、空室損・原状回復・広告料・仲介手数料・鍵交換がまとめて発生します。平均2年の物件と4年の物件では、稼働率が同じでも10年間の入退去コストが倍近く変わります。目安は単身2〜4年、ファミリー4〜6年。

3. 運営経費率

年間運営経費 ÷ 年間家賃収入

管理委託料、固定資産税、保険料、共用部光熱費、修繕費、原状回復費などの合計です。一棟物件でおおむね20〜30%が目安。40%を超えるなら、修繕の頻発か経費構造に見直しの余地があります。単年ではなく3年平均で見ることが肝心です。

4. 返済比率

年間返済額 ÷ 満室想定家賃収入

40〜50%以内なら比較的安全圏、60%超では空室が2〜3戸重なった時点で持ち出しが出やすくなります。金融機関が見るDSCR(純収益÷年間返済額)なら1.3以上が一つの基準です。

組み合わせると、打ち手が見えてくる

この4つは、掛け合わせてこそ機能します。

症状要因打ち手の方向
稼働率が低い・募集が長引く  市場と条件のズレ  家賃・設備・募集条件の見直し
稼働率は高いが入居期間が短い入居後の満足度住み心地・設備水準の点検
稼働率は高いが手残りが薄い経費率か返済比率経費の精査・借り換え検討
全て良好だが収入が逓減家賃下落・築年数追加投資か売却かの判断

同じ「空室が埋まらない」でも、募集日数が長いのか、回転が速すぎるのかで打つべき手は正反対です。数字を見ずに対策を打てば、効かない投資を重ねることになります。

まずやること

表計算ソフトに、満室想定家賃・実収入・空室月数・入退去件数・経費内訳・返済額を3年分並べる。それだけで、この物件が良くなっているのか悪くなっているのかが一目でわかります。単年の数字は判断が難しくても、推移には必ず物語があります。

次回「管理の極意 その2」は、修繕コストの考え方をお届けします。


数字を並べてみて「これは良いのか悪いのか」と迷われたら、お気軽にご相談ください。周辺の相場感と照らして、客観的に整理させていただきます。

株式会社梶原エステート 代表取締役 梶原 淳 不動産売買・売買仲介・賃貸管理

※数値は一般的な目安です。物件種別・エリア・築年数により適正水準は異なります。